頭蓋解剖物語

ボロボロ書きます。剥がれ落ちる私を。

2019-01-01から1年間の記事一覧

「今を生きるという事」を精神科で語った話。

本日、朝七時からバイトへ走った私は、その実バイトの事など眼中になく、その後に控えるイベントで緊張しており、早くも胃痛に悩みながら焼きそばを焼いておりました。 しかし、その時間はいつの間にか過ぎ去っており、神の様な暖房のきいた店内を後にする時…

新月の探し物。

先生が好きだ。 昔を語って様になる歴史の先生が好きだ。 言葉の尊さを書く現代文の先生が好きだ。 人間についてを描く倫理の先生が好きだ。 世界の広さを広める英語の先生が好きだ。 親身になってくれる担任の先生が好きだ。 そんな先生たちの元へと、私は…

誰かの幸せになるという事。

「俺、今めっちゃ幸せだわ」 冬の寒気に包まれ、寒風が衣服をすり抜ける帰り道。私の隣にいる友人は白い吐息混じりに呟いた。「なんかいいことでもあったのか?」「彼女が出来た」「そうか」 淡々とした会話。友人の握りしめるスマホの画面から「私も好きで…

「夢」という名の「生きがい」

夢を見ている。 そう自覚するときは明らかに現実味のない現実の夢なのだ。 明らかに現実味を帯びていない現実の夢。新緑溢れる森、ほのかに照らす木漏れ日、光の届かぬ冷たい海、酒豪だらけの喧騒、全て同じように回る歯車の上、酷く鬱屈としたロッカーの中…

人を書くということ。

生きてきた中で、色んな人たちがいる。それは良い関係性を築けた者から拳で殴り飛ばした者まで様々な人達がいる。そして、そんな彼らはその良し悪しを問わず、私という人間を形成する上で多大なる影響をもたらした人達だ。 そんな方々を、そんな方々との関わ…

白い吐息を昇らせながら。

秋から冬へと移ろう時。フッと流れたため息が白い吐息に変わる時、その吐息を見ると私の心にはふと「ミルクセーキ」がよぎる。 知っている人は知っている。自動販売の一番上。あったか〜いの赤い文字の欄に並んでいた100円のミルクセーキ。暖かくてまろやか…

現代南瓜絵巻

秋も中ごろ、神無月と呼ばれた月が終わりを迎えるその最後の一日。人間たちは一斉に騒ぎ立てた。かぼちゃをくり抜き、化物どもの格好でふざけ、神様がいない事を良いことに好き勝手暴れ始め、それを揶揄する者もいればその手に乗じる者もいる。 「人間とは不…

幼少期の不思議な話。

「い〜けないんだ!いけないんだ!せ〜んせいにいっちゃ〜お!」という言葉を聞いたことはあるだろうか。まぁ、聞いたことのない人はあまりいないと思う。「かたつむり」という手遊びを知っているだろうか。もしくは「割りばし」の方が認知度が高いだろうか…

海の中の向日葵

「ねぇひまり。おばあちゃん家に行って来なよ」夏も終わりを迎え始め、セミよりトンボがウザったらしく思える頃に、母が一番ウザくなった。「なんで今言うかな」私だって始業式も一週間前に控え、残りの宿題を済ませる予定も立てていた。そう決めていたのだ…

理科室の中の眠り姫

桜の蕾が花開き、風と踊り空へ舞う。月曜の空は爽やかに晴れ渡り、入学式を経た新入生や入社式に参加した新社員といった新生活を始めた人々が歩みを進める。 そんな時、俺は橋の下で一つの植物を眺めていた。 いや、これは植物と呼んでいいのか。 アロエの様…

血で繋がれぬ貴方に。

「そろそろクリスマスの季節か……」 窓に積もる雪、男が一人で外を眺めながら感傷に浸る。 「何しみったれた顔してんのお前?」 突如、屋根裏から出て来たのはこの屋敷の居候だ。 「いいだろ少しくらい、私にだって人肌の恋しい時があるのさ」「俺がいるじゃ…

「ありがとう」

僕は化物。人間じゃない。 だから今日はトマトの被り物を被ろう。 真っ赤な実に白い光沢、少しばかりの青いへたが少しばかりいいアクセントになっていると思う。そんな被り物をかぶっても僕はしっかり周りが見える。 だから僕はいつも、被り物を被って外に出…

君は分かるのに。

午前5時の早起きにも慣れてきた、最近はいつもこの時間だ。漁業を営む両親ですら、まだ起きる時間ではない。というか俺はまだ船にも乗せて貰えるほどの腕が無い。 「お前はまだまだ未熟だからな。道具の使い方からだ」 父親の一言が俺の心に波を打って響く…