頭蓋解剖物語

ボロボロ書きます。剥がれ落ちる私を。

幼少期の不思議な話。

「い〜けないんだ!いけないんだ!せ〜んせいにいっちゃ〜お!」という言葉を聞いたことはあるだろうか。


まぁ、聞いたことのない人はあまりいないと思う。


「かたつむり」という手遊びを知っているだろうか。


もしくは「割りばし」の方が認知度が高いだろうか。


「女子トイレの花子さん」を知っているだろうか。


「男子トイレの太郎くん」なんてのもあっただろう。


とにもかくにも、今ここで知ってるよ!という方がいらっしゃったなら嬉しく思う。なぜなら、今回はそんな感じの話だからだ。


今並べたのはつまるところ、「子供の頃」を思い出すものだろう。私も幼少期の記憶はハッキリとしている。他にも消しゴムをぶつけ合う男のコロッセオ「ケシバト」とか、勝った手の文字数だけ進む階段レース「グリコ」とか。これは私の知っている名前だが、他の名前でも広まっている事だろう。


しかし、考えてみてほしい。あの頃はまだ「ポケベル」や「Windows」がようやく出てきた時代で、メッセージを送ったりするのにようやく使われていた時代だ。


それなのに、どうしてこんなにも同じルールのゲームが全国に広まっているのか。不思議でならない。


まぁ、ローカル的な遊びもあった。我が故郷鹿児島では噴煙の高さを予想して、校内放送で答えあわせをする「標高当て」やおはじきを5個用意して背中の後ろに隠し、右手に何個か握り、そのまま突き出して数を当てられなければ勝ち。という「なんこ」などがあった。


閑話休題とにもかくにも仕切り直して話を戻すと、なぜ昔はそんな情報伝達の媒体が発展していないにも関わらず、共通の遊びをしていたのか。という事だ。


これに関しては実は色んな話が上がっている。各地に居た公務員的大人達が広めてた説やテレビで爆速的に広まった説、疎開の際に子供達が思いついた説などなどだ。


これに関しては意外と論争が激しいらしい。


そう聞くと話をしたくなくなるんだが、まぁ話をするという事は何か考えを持っていることの裏返しにもなる。


私的に考えたのは「クラスに一人はいる遊びの天才説」だ。


年中半袖半ズボンの四季折々ガキ大将、メガネとポテチが標準装備のぽっちゃりゆるキャラくん、歩く百科事典と呼ばれる物知り雑学マスターに魚へんの漢字にだけはやったらめったに強いさかなくんジュニア。中には円周率を100桁覚えている円周率詠唱者から選ばれし白のリコーダーの使い手などなど……挙げればキリが無いこのキャラクター達。いわゆる「クラスに絶対一人は居る奴」だ。


この「クラスに絶対一人は居る奴」というのもまた全国的に有名な話だが、まぁこれは大人になってから分かる話であり、子供の時から広まってる話では無いので、今回の幼少期の不思議な話からは除外する。


だが、そんな子供達が居るのなら「遊びの天才」が一人くらいいてもおかしくはないと思うのだ。


小学校低学年の頃は皆でボールや竹馬や一輪車など既存のもので遊んでいたが、中学年にもなると飽きが来ていた。


そんな時、手で手軽に遊べるゲームを開発したのが「遊びの天才」なのではないか。


じゃあ、そんな奴いたか?という話になるが、私のところには居た。その男は凄く表情豊かでありながら坊主という可愛らしさを持っておりキューピーと呼ばれていた。


キューピーは基本、遊びの真ん中にいた。休み時間の人だかりの真ん中には基本的に奴が居た。彼の周りはいわばサーカスショー。遊びの伝道師であるキューピーはノートを切って作ったカードゲームを展開し、1デッキ40枚50円で売っていた。キューピーはそのお金を使って駄菓子屋を網羅していた。今思えばキューピーは悪魔だ。


結局彼はその後、親の都合により転校する事となったが、その後もカードゲーム時代は長く続き、ゲームバランスを崩壊させるカードの登場、リアルファイトへの発展、結果として先生から規制が入ったものの、男子がほぼ全員タイムカプセルに入れていたくらい彼のカードゲームは最高だった。男達の青春は40枚のデッキに詰まっていたのだ。


そんな「遊びの天才」私たちのところは転校してしまったが、転校した先でも広めない訳がない。そのようにして小学校時代、様々な特徴を持った「クラスに絶対一人は居る奴」は転校などで入り混じり、「知らないもの」が入ってくる。そうして、「幼少期の不思議」は自然と馴染んでいったのではないだろうか。


ちなみにキューピーは成人式で再会した際、しっかり起業してベンチャー企業の社長になっていた。駄菓子屋の覇者はこれから日本を駆け回る予定のようだ。


幼少期の不思議な話は以上で終わりだ。とはいえまだまだ想像の余地はある。これから先、何か思いついたなら是非教えて欲しい。ぶっちゃけめっちゃ気になる。

それでは皆様、ごきげんよう


追記:私は「ミッケ」や「ウォーリー」の本に赤い丸を仕掛ける人間でした。本当にごめんなさい。