頭蓋解剖物語

ボロボロ書きます。剥がれ落ちる私を。

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

血も泪もあるんだよ。

愛したからこそ、出てきてくれるのだと思う。あなた達も、綺麗な泪も。 誰かのためでないと本気を出すことができない。誰かのため、という名目がなければ本気を出すこともできない。そんな風に考えていた自分が、その生き方を変えられて死んだのは、もう6年…

3•1

枝垂れた紫陽花、積む白雲。軽快な空の青の中、地中の蝉が騒ぎ出す。 流るる滝汗、上がる息。暑さがひしめく山道で、交わる小指と口約束。 うつむくあなたと新幹線。浮かんだまんまの夏休み、まだ短い赤い糸。 最後の学生、四年間。久しぶりの君、抜けた垢。…

梅雨の残り香

もう夏だと捉えるか、まだ梅雨だと捉えるか。そう問われたならば、僕は、まだまだ梅雨だと言いたい。 履かなかった長靴、マジックテープの擦れた傘、干したままの雨合羽。そのどれもがまだ、梅雨を知らずに眠っている。彼らを起こすべき時は多々あったが、そ…