頭蓋解剖物語

ボロボロ書きます。剥がれ落ちる私を。

2020-01-01から1年間の記事一覧

散文駄文

嘆暮れ茜の紅葉道、寒風抜ける乾涸びたシャツ。換気意識の換気扇。 嗚咽混じりの嗚ゝ 呼ゝ 生きとし生ける?思い込み。 殺され死なず?待つばかり。 二人が食べた金の果実。生を知らぬは死を知らぬ。禁断の果実という名の死。光り輝く希死念慮。食べてしまっ…

季節

春、散る桜、付く頭 夏、夜の華、口約束 秋、金木犀、握った手 冬、雪月花、笑う顔 春、散る桜、流れゆく

ココアとペペロンチーノ

紅葉の散った木々、薄暗くぼんやりと先の見える暗闇。微かに冬の到気を告げる風。 こんなに寒くはなかったはずだ。 あの夏をまだ覚えている。響いて残るような暑さと雨のもたらした湿気に支配されていたあの八月とは打って変わって冷え込んで、淹れたココア…

寒い。

雨降り積もる洗濯機、部屋に吊り下がる衣服類。酷く冷たい除湿の風に揺れるそれらを布団の中から見上げていた。 湿気だけじゃなくて、何もかも取り除いてくれればいいのに。 人との関係を切ったばかりだった。 卑屈になっていた。お酒がない。買えなかったの…

ただいま。と書くことが怖くなっていた。 あんな文を書いて、またのうのうと戻ってきて良い物かと悩んでいた。 飲んだ薬は確かに、今までの私の生活に終止符を打った。 それで幸せなのかと、思うにはあまりにも空虚な物であった。 日記。私という人間が20回…

ごめんなさいね。何時しか私は自分の事も他人の事も。分からなくなってしまいました。ここ数日、病気が酷いのと抑える薬が貰えずに、私はきっと記憶が持たなくなっているんだと思います。色んな薬を飲んでいたことを。日記の私とゴミ箱が示しています。徐々…

おあいにく様。

お酒を呑んだ時にのみ、私は私で在れる気がする。 などと私はいつか、そんな風に嘆いていた。 正確に嘆いていたかは分からない。それを喜んでいたのかもしれないし、予想外の出来事と捉えていたかもしれない。それを読み取ろうにも黒鉛の文字からは何も心情…

随想

私はよく、傍観している。ような気がする。 今日未明、と言うには少々朝方だが、確か私は傍観者で良い。みたいな発言をしたような気がする。 いつから傍観者だったか。そういうのはあまり覚えていない。ただ、私が初めて傍観者となったのは言うまでも無く友…

明星

寒冷の冬月。刻々と浮かぶ暗黒の月に、白い吐息が被っておぼろ。 私は今、この街の中で一番空に近いだろう。 曖昧なのは下を見るのが怖いから。だから空を見上げて逃げた。 風が吹くと足場が揺れ、灰色の布が大きく靡く。とび職の度胸強さが伺える。やはり足…

はかなき

時折、自分が分からなくなる時がある。 降り止まぬ雨滴を窓から眺めている時。 サドルの上で周囲に注意を巡らせている時。 大きな書店の中で好きな作家を探している時。 目が覚めた朝の天井を見上げている時。 何かを眺めている時。何かを見ている時。そんな…

天使の羽。

それは確かに落ちていた。 砂塵舞う小さなベランダで、とうに干からびてしまった植物の前で、寂れた物干し竿に引っかかって、その存在を示していた。 それは、小さな小さな白い羽。光を放ち、綿のような質感を持った羽。その持ち主は恐らく、大きく空を飛ぶ…

日記に書いてあったから。

空っぽの感覚だった。 生と死の狭間というのは月並みな言葉だ。 全身が冷え切っていた。右手だけが動き、左手は枕にしたため血液が絞られていた。 右手で身体をつねると、私の体では無い気がした。 雪も灰もつもらぬ冬。木枯し貫き鳴く閑古鳥。透明な吐いた…