頭蓋解剖物語

ボロボロ書きます。剥がれ落ちる私を。

清く正しく。

 人から最初に言われるのは「楽観的」とか「勢いが凄い」とか「あんまり不自由なさそうね」とか。

 立ち振る舞いをそうしているから、言葉遣いを使い分けてるから。そう見えているんだろうな。と、つくづく当然のことを思います。

 私が住む家を見て、誰かが「おぉ…」と言いました。

 私の扱いを見て、誰しもが「えぇ…」と言いました。

 この、ギャップ。と呼んで良いものなんでしょうか。言葉に疎いので判断しかねますが、僕はこのギャップが好きです。

 血は繋がっていません。二階建てのこの家に僕の部屋はありません。お給料の半額を家に入れて,自分の携帯代や食費は自分で払っていて、段ボールに囲まれた物置で暮らしています。電気もありません。

 息を吸う間を与えずに、そんな私の身寄りの事実を突きつけるのが好きです。

 そうして、人が離れていく。というか、僕を見る目が180度変わる。といいますか。私が立ち振る舞いとか言葉遣いで積み重ねてきた全てが崩れ去る。うん。そんな瞬間が好きです。

 夢も希望も見せられない。歩いてきた軌跡は足跡なんて綺麗なものじゃない。茨の道を何の気なしに裸足で歩いてみた。そんな、鮮血のレッドカーペット。

 あの家が。あの家族が。おかしいんじゃない。僕もまた、おかしい人なんです。

 正しく、狂いのない人間なんかじゃない。歪んででも狂ってはいけないとそう思い込んでいるんです。

 今更、正しくなんか。なれないのです。