寒冷の冬月。刻々と浮かぶ暗黒の月に、白い吐息が被っておぼろ。 私は今、この街の中で一番空に近いだろう。 曖昧なのは下を見るのが怖いから。だから空を見上げて逃げた。 風が吹くと足場が揺れ、灰色の布が大きく靡く。とび職の度胸強さが伺える。やはり足…
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