頭蓋解剖物語

ボロボロ書きます。剥がれ落ちる私を。

おてがみ。

 拝啓、四季は八回転。

 吐息は力無く澄んで雪、探し物を思い出す季節。

 ありもしない残り香を期待して、各地を巡ってみたはいいものの、結局、僕はここにいる。

 君の墓前に僕はいる。

 目覚めて起きた分岐点。過ぎた時間を後悔と呼んだ。白い布を現実と呼んだ。二つにズレた僕の心を、誰にも言わず棺桶に入れた。

 入れたつもりだった。

 片手にスマホを持ちながら、スマートフォンを探すように、持ってるものを無くしていた。

 Twitterを閉じてはまた開くように、何度も何度も、離れられなくなっていた。

 ようやくそれを見つけた時、絵の具に垂らした水滴が、パレットの白を映すように。世界が小さく弾けて晴れた。

 水に、ガラスに、色があった。把握と理解の差を知った。前に進むべき道も、出来なかった寄り道も思い出せる。

 どこにもいない。今ここに。

 あなたが生きた。証の前に。

              敬具

 

 追伸、さよなら暇乞い。貴方と貴女と僕に捧ぐ。