2021-07-11 3•1 散文 枝垂れた紫陽花、積む白雲。軽快な空の青の中、地中の蝉が騒ぎ出す。 流るる滝汗、上がる息。暑さがひしめく山道で、交わる小指と口約束。 うつむくあなたと新幹線。浮かんだまんまの夏休み、まだ短い赤い糸。 最後の学生、四年間。久しぶりの君、抜けた垢。小指に残った赤い夢。